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臨床以外の薬剤師の活躍の場 製薬メーカーの仕事(製造販売業[品質保証業務]・製造業)転職の選択肢にも○!

臨床以外の薬剤師の活躍の場とは…

 
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薬剤師 として、臨床以外の仕事で代表的なものは創薬に関わる仕です。

大学ではあまりフォーカスされませんが、医療経済視点の課題として、日本の創薬はほぼすべて民間企業が担っています。

※大日本住友製薬の前身である、大日本製薬会社が半官半民の企業だったそうです。なので、創薬関係の仕事をするならば企業に勤める必要があります。

創薬関係の仕事 創薬プロセスについて

創薬プロセスを説明すると大きく3段階に分けられます。

①探索段階
 まず医薬品の候補化合物を絞り、効果や安全性を見定めながら治験に進む化合物を選びます。ほぼ同時に製造体制も構築し始めます。

②試験段階
 動物実験や臨床試験を行い、有効なデータを揃えます。製造方法などの情報を全て集約してPMDAに承認申請します。途中様々な安全性に対する質問など、様々な審査を受け、問題ないことを確認した後承認に至ります。

③上市段階
 承認後、メーカーは製品の安定供給や、副作用の情報収集などの安全性確保が義務付けられます。

 
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新薬として市場に登場するまで、アイデア段階から構想20年前後が必要ともいわれ、大変な作業であるかが想像されます。

しかし新薬の開発手法はパラダイムシフトを迎え、IoTを使った超効率的かつ、個人的(オーダーメイド)なニーズの探索の段階に来ています。

でも本当に大変な部分は…承認された後!

本来は、医薬品の承認後の管理が一番大変です。
しかし実際は、企業内において販売・維持管理はちゃんと出来ていて当たり前、重要性を軽視されがちです

そこには企業の本質と、医療倫理のあるべき姿のバランスの難しさがあります。

企業の本質と、医療倫理のあるべき姿

企業の本質経済活動です。

製品を製造し、販売して利益を揚げ、次代の人員や製品を創出することで成長していく集合体です。特に創薬はモノになるまで20年掛かるハイリスク・ハイリターンな対象と言えます。必死に頑張っても医薬品として承認され販売できなれば、かけてきたコストはすべて水の泡になります。

だからこそ、開発候補の多数輩出、開発部隊の充実が何よりも優先せざるを得ません。

医療倫理のあるべき姿は、製品を医薬品として適切に扱い、安定供給することです。また、副作用などの不具合を常に注視していかなければなりません

しかし経済的視点からすると、品質部門は資金を調達する(利益を上げる)部門ではありません。

承認前は、化合物は大事な”金の卵”ですが、

承認後、晴れて医薬品となれば、製品として安定供給が出来ていればいいという感覚に陥りがちです。

ものづくりなのだから、問題なく出来ててあたりまえだよね??そんな感覚すらあるように思います。

 
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企業としては、次の金脈を探すことに注力しがちで、上市した製品はとりあえず問題なく作ってくれればいい!

まぁよくある感覚ですが、
こと医薬品においては、流通させる製品にこそ品質や安全性に信頼が置けるものではないといけません。

 
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医療業界とは社会貢献の側面が強いと思います。

 

しかし薬を供給するのは企業であり、その構造から適切な医薬品製造管理の関心度は低く、人員の登用・育成が少し蔑ろにされがちなのが大きな課題なのです。

 

その他、特許切れによる後発品の登場時期を予見しておくべきです。

後発品が登場すると薬価が下落し、売上が落ちてしまいます。しかし特許が切れて価値が下がり、設けの薄い製品でも、倫理的な側面から使用し続ける誰かがいるため簡単に製造をやめることはできないのです。

 
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『利益の追求』と『社会貢献としての信頼提供』
この2つを常バランスを取らなければならないことが、製薬企業の大変難しい立ち位置だと言えます。

医薬品として承認得た後こそ、薬剤師による専門的な管理が必要となる。

承認後の管理にこそ薬剤師が活躍の場

初期研究から承認直前は、いわば”デビュー前”なので医薬品ではありません

承認されて初めて医薬品となり、専門家である薬剤師が関わる領域になってきます。
なぜそこに薬剤師が必要なのか…それは医薬品とは様々な情報の集合体であり、物理・化学・生物をベースに、多角的な理解は薬剤師にしかできないからです。

医薬品の管理こそが、薬剤師最大の活躍の場!なのですが…学生時代にはこのような職種だと情報を得られないように感じていました。

特に、薬学6年制化は臨床に強い薬剤師育成を目的としています。
臨床で活躍する人材育成もたいせつですが、医薬品供給の立場として、活躍できる人材の育成も必要だと思っています。

医薬品製造販売業、医薬品製造業

  • 医薬品製造販売業:医薬品のメーカーたる業。製薬会社として責任をもって流通、販売が可能
  • 医薬品製造業:医薬品を製造するための業。あくまで製造することに関する許可。

どちらも似た言葉ですが、意味は大きく異なります。

しかし共通しているのは、許可を得た組織において、品質に関わる責任者は必ず薬剤師でなければならない点です。

製造販売業(メーカー業):品質保証業務

医薬品メーカーとして薬を供給するには、製造販売業が必須になります。

そして製造販売業として活動をするには、品質に関する管理組織を設置することが法律で義務付けられています。この品質に関する管理組織を一般的に”製造三役”と呼んでいます。

製造販売業に必要な”製造三役”

 

製造販売業 三役の関係

  • 総括製造販売責任者(総責) :医薬品の品質、安全性を総括的に判断・管理(薬剤師免許が必須)
  • 品質保証責任者(品責) :製品の品質に関する管理の責任者
  • 安全管理責任者(安責):副作用等安全性情報の管理に関する責任者

製造販売業として品質保証業務を担う三役のうち、総括製造販売責任者(以下、総責)を担うには薬剤師が必須です。品責、安責は必須ではありませんが、いずれ総責を担う人材として、薬剤師が勤めていることが多数です。

なぜ薬剤師なのか

先ほども書いた通り、医薬品になってこそ専門家の薬剤師の管理が必要になるからです。

もっと具体的には科学的視点や倫理面など、包括的な物事の判断は薬剤師じゃないと難しいからです。

承認前のいわゆる基礎研究段階では薬学出身者は全体の多数派ではありません。むしろ様々な分野ごとのエキスパートたちが集結しています

プライマリーであるからこそ各分野の英知が必要なのですが、薬になるために洗練されていくうちに、一つの薬としての個性が明らかになっていきます

 
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 多くの情報をもって薬として承認された以降は、薬全体の化学的、物理的、生物学的な視点=薬の”個性”を踏まえた管理には薬剤師の出番となるわけです。

医薬品製造業:医薬品工場の運営

  • 医薬品製造管理者:工場で製造した医薬品の最終的な品質を担保する責任者

 医薬品は取り扱い流通に関して厳しく管理がされた製品です。となると医薬品を製造する工場においても、最終的な製造物の品質に関する判断は薬剤師で然るべきということになります。

 
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 工場で適切な製品が完成したまさにその瞬間、医薬品として管理義務が発生します。そのため製造した医薬品の最終的な品質や管理は、薬剤師こそが適任ということなのです。

最近の動向…薬機法改正

最新の動向として、薬機法改正が予定されています。大きなトピックのうち、前述の総括製造販売責任者の要件が一部緩和の方向になっています。

原則、薬剤師免許を有することに変わりがありませんが、どうしても人材が確保できない場合、1度だけ能力を有する非免許者が担うことが可能になります。

医薬品メーカー、製造業は大変な人材難!!!!

実は上記の役職において、薬剤師はとんでもなく重要な資格であるにも関わらず、実際は従事する人材が非常に少ないのか現状です。

数少ない経験者を業界内で奪い合っている状況となっています。理由は私が思いつく限り以下のように思います。

  • メーカー業、製造に関する情報や教育が不足で、なり手がいない
  • 工場勤務=田舎、僻地の勤務となる印象が強く志望者が少ない
  • 製薬企業の採用観点から、薬剤師の採用自体が軽視されている(即戦力の中途採用募集ばかりとなる)

総責要件の緩和も上記理由で、
中には会社の職制上は平社員が総括製造販売責任者を務めるなどの状況が散見されます。

つまり製造販売業者の品質に関わる最高責任者なのに、会社内での立場は下のため、適切な進言などをしにくい状況にもありえるのです。近年の製造偽装問題などは実は以上のような背景があったりします。

まとめ

医薬品製造販売業、製造業には薬剤師が求められる職種が多数存在します。

にも関わらず、薬剤師免許保持者自身の認知度が非常品低い状態です。私の活動の中では、PR活動や、人材発掘なども目指していきたいと思います。

薬剤師の活躍の場について解説いたしました。創薬フローの各職について、具体的にどんな仕事をしているかも解説していきたいと思います。

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