花粉の時期に欠かせないのが 抗ヒスタミン薬 。
3月〜4月にスギ、ヒノキの花粉はピークを超え、5、6月はイネが増える時期です。
最近ではドラッグストアで購入できる商品が増えてきました。種類も豊富に揃っていますが、逆にどれを買っていいのかよくわからない方に向けて、それぞれを一覧比較してみます。
★代表的な 抗ヒスタミン薬 とその有効成分
現在OTCとして購入できる抗ヒスタミン成分が配合されたお薬になります。
・ロタラジン:クラリチン
・フェキソフェナジン塩酸塩:アレグラFX
・エピナスチン塩酸塩:アレジオン20
・アゼラスチン塩酸塩:ムヒAZ錠
それぞれ別の会社から販売されていて競合が多いということは、それだけ市場が大きいことを意味しています。
去年、なんてことなかった人が今年急に発症する。
はたまた最近では、小学生以下の小児から花粉症を発症してしまうケースも増加しています。
そのため、今後も花粉症市場は拡大し続けて行くことが容易に想像できます。
★抗ヒスタミン成分の世代
抗ヒスタミン薬 には長い歴史があります。
そもそもヒスタミンとは、体外の異物に反応した際に放出されるオータコイド。
オータコイド(autacoid)
生体内で局所的に生成されて作用する生理活性物質の総称。 ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどを指す。他の器官で作用するホルモンおよび神経伝達物質以外の総称。
もともとは体に備わった防御反応機構です。
花粉などの抗原(アレルゲン)に一定以上さらされ続けることで、防御反応が過剰に発生してしまう状態が花粉症だと言えます。
体内で生成されたヒスタミンは、ヒスタミン受容体にくっ付くことで症状を引き起こします。
抗ヒスタミン薬とは、そのヒスタミン受容体をヒスタミンに変わって占拠してしまうことで症状の発生を抑えるのです。
とっても素晴らしい抗ヒスタミン薬ですが、何事もやりすぎは別の影響を引き出します。
ヒスタミン受容体に拮抗する作用から、抗アレルギ-作用をもたらす一方で、抗アセチルコリン作用があることから眠気や、口渇、便秘になったりすることがありました。
そこで、ヒスタミン受容体の中でも、アレルギー症状に関係の深いH1受容体に選択性的に作用する薬の開発が進み、副作用が少ない薬が現れました。
これらを第2世代の 抗ヒスタミン薬 とよび、それ以前を第1世代と呼ぶようになりました。
第2世代は特に眠気が生じにくい成分群となっていますが、中でもⅡ類はⅠ類よりもさらに眠気は少ないとされ、特にクラリチン、アレグラには添付文書上に車の運転注意の記載もありません。
★それぞれの製品の特徴
それぞれの比較します
★効能効果
それぞれの 抗ヒスタミン薬 の効能に大きな差はありません。
赤字部分はすべて同様の記載です。
ムヒAZ錠(アセラスチン塩酸塩)はじんましんに使用できるのが特徴の一つとなっています。
★用法用量
1日1回もしくは2回となっています。
通常は1日3回の服用の薬が大半を示します。
食事のタイミングに合わせて服用するケースがスタンダードですが、近年のライフスタイルを考えると、仕事や学校の昼食タイミングの服用が難しいケースも多々あります。
そういう方にとっては1日2回使用の薬は大変うれしい設計です。
2回でも十分服用しやすいですが、1日1回服用のおくすりも登場しました。
1日1回服用の製品は、朝の出勤前やよる就寝前など、服薬がしやすく忘れにくいといえます。
クラリチンEX、アレジオン20は1日1回の製品です。
★運転注意表示
通常、 抗ヒスタミン作用がある場合、服用後の眠気が発生する可能性を考慮して、添付文書には一律で服用後の運転を注意する表示が規定されています。
ここで、今回の4種類の有効成分はすべて第2世代の抗ヒスタミン成分であり、ヒスタミン占有率(眠気発生の指標)からみても、十分に眠気を感じにくい薬となっています。
ただその中でも、特に眠気が発生しにくいことが評価された成分については、添付文書から運転注意喚起の記載がされていないほど眠くなりにくいとされる薬になっています。
★ 抗ヒスタミン薬 の効果感
どの 抗ヒスタミン薬 が一番効くのか…気になるところはここです。
しかし結論から使用経験による効果感は、比較評価による一般的な認識であり、絶対的な評価ではありません。
効果が強いものが全てにおいて上位互換というわけではなく、身体への反動、副作用の感じにくさなどを踏まえた、自身にあったものを選ぶことが最も重要です。
★まとめ
ライフスタイル、体質や身体への配慮に合わせて自身に適した製品を選んでみることが重要です。
最近では同効薬も多数発売されているので、値段も大きな判断基準になっています。
・ロラタジン
・フェキソフェナジン塩酸塩
・エピナスチン塩酸塩
・アゼラスチン塩酸塩