育薬
医薬が厚生労働省に承認され販売された後、より効果や安全性をより高めるための研究と開発を継続していく過程を指します。
市販後調査の一環として販売後の臨床試験も実施されていきます。
医薬品自身の更に詳しい情報が得られた場合は薬の情報をアップデートすることができます。
また、実際の臨床現場でのニーズから、よりよい使用方法やタイミング、剤形の改良などの意見が抽出されます。それをもとに改良を薦めることで、医薬品自身の価値をブラッシュアップして高めていくということを”育薬”と呼びます。
具体的事例
・リュープロレリン
リュープロレリンは前立腺がんに対して内分泌(ホルモン)療法という新たな道をひらきました。画期的ではあったものの、当初は週に1回の駐車が必要であり、患者負担も多い薬品でした。その後成分を徐々に放出するマイクロカプセル製剤技術を活用し月1回の使用で済む製剤が開発されるなどQOL向上に一役買っています。現在では一度の注射で24週(6か月)間効果が持続するタイプも登場しています。
・ニトログリセリン
狭心症の薬であるニトログリセリンは舌の内側に入れて使用することで発作を抑える作用があります。しかし即効性が高いものの、長くは続かないため深夜や早朝に起きる発作の予防は難しいという問題点がありました。そこから、皮膚に貼りつけるタイプが開発されました。貼付け型のニトログリセリンは、皮膚からゆっくり吸収されるため、効果が長く続き、夜間発作の予防ができるようになりました。
アスピリン
バファリンにも使われるアスピリンは解熱鎮静剤としてよく使われていましたが、長期間にわたって服用すると血がとまりにくくなるという副作用が発見されました。これを利用し、抗血小板薬として心筋梗塞や脳硬塞などの予防に使用されていることはご存知と思います。
育薬の重要性
医薬品も作りっぱなしでは薬価も下がる一方です。
よりメリットのある形態、想定される使用ケースを整えていくことで、医薬品価値を高めていくことも、メーカーにとって売行きを見通すうえでも需要な作業になりつつあります。
ここでは医薬品の開発プロセスについて解説します。 医薬品は様々な試験や課題をパスして初めて医薬品として承認されます。そのため、開発には多くの人材・職種が複雑に絡み合っています。 薬の一生を大きく分けると、①創薬研究、②医薬品開[…]
ここでは 医薬品開発 プロセスについて解説します。 医薬品は様々な試験や課題をパスして初めて医薬品として承認されます。そのため、 医薬品開発 には多くの人材・職種が複雑に絡み合っています。 薬の一生を大きく分けると、①創薬研究[…]
ここでは医薬品の開発プロセスについて解説します。医薬品は様々な試験や課題をパスして初めて医薬品として承認されます。そのため、開発には多くの人材・職種が複雑に絡み合っています。 薬の一生を大きく分けると、①創薬研究、②医薬品開発、③販[…]